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7.プロポーズ
結婚したらこんな町に住みたいな。
心の中で思っただけなのに、
見透かされたように、
「結婚したらターリータウンに住もう」
このあたりは教育レベルが高いらしく、
「将来生まれてくる子供のためにも、
ここに住もうよ」
と、いつになくユージンは雄弁で
強く話しかける。
強さに圧倒されながらも、
ふわ~とあたたかい気持ちになる。
NYのことはなんにもわからないけれど、
ユージンの言うことは正しいと私は思う。
そんな日が本当に来るんだろうか。
それより、私、幸せになってもいいのかな。
「子供が大きくなったらね、
スリーピーホローハイスクールに
入れようよ」
「スリーピ-ホロー?」
「知っている?
カボチャを持った首のない騎士が、
次々に殺人を犯す、
という怖い伝説」
この辺りに昔から伝わる伝説だと、
怖がる私を面白がるかのように、
ユージンは言う。
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