第2章

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「椎名、聞いてる?」 無責任に恋愛話が弾むなか つい君のほうに耳を傾けていた私に カナがむっとした声をあげた 「聞いてる、聞いてる 先輩がなにって?」 慌てて返事をする 「どこが好きなんだよー」 聞きたくないのに聞いてしまう 「先輩じゃないよ、いつの話 タメだよ。ちゃんと聞いてよ」 「……声かな」 男友達の話に全神経を向けてしまう 「もういいだろ」 「もったいつけんなって。 てか、女子、恋ばなこっちに 聞こえるようにしろ」 「しーな彼氏できたって聞いたけど」 ふいに、話をふられて慌てて答える 「あ、うん夏から。へへー」 「幸せそー」 「…うん、幸せ」
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