第1章

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よく、歳をとると、子どもにもどる。 なんて、耳にするけれど。 歳をとったくまのお世話は、どこか、仔犬の頃のそれに似ていたような気がするな。 わたしとお母さんが、食欲のないくまに、ミルクを買ってきてあげよう!と、談笑しながら(ふたりは、それがいいアイデアだと思った)車に乗ったのが、くまの聴いた最期の会話だと思う。 まさか、帰ってきたら亡くなっている。なんて、わたしもお母さんも思いもよらなかったよ。
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