病室のマネージャー

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「うわぁ……先輩って絶対天然ジゴロの素質ありますね。そんでもって彼女できたことないでしょ?」 「いきなりなんだよ……まあ彼女できたことないけど」 「高校2年生ににもなって、部活一筋ですか。汗の青春ですね……」 「いやそういうおまえだって彼氏いないだろ」 「……えっ? なんで先輩が知ってるんです?」 「あ……」  西条桃花はテニス部の女神のような存在だ。  誰にだって分け隔てなく優しいし、スケジュール管理と彼女ほどのマネージャーはそういない。  そのためか、部室内では彼女に惚れる者も何人かいた。  噂によれば告白した者もいると聞く。  そうした男たちの色恋沙汰の話の中で、西条には現在彼氏はいないという情報を聞いたのだ。  あくまで、横耳にチラッと、聞いただけだ。 「だっておまえ、いつも部活だろ? そんでもって男と一緒に歩いてたって話も聞かないし」 「あはは……そうですね。遊んでいる時間ないですし、いないと知られてもおかしくないか」  諦めたようにボフッと立てられたベッドに背中を預けて、「はあぁああ」と大きなため息をつく。
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