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僕のせいだ。
彼女の疲れを知っていたのに。
身体がふらついていたことも、無理して笑っていたこともわかっていたはずなのに。
それなのに僕は彼女に仕事を続けさせてしまった。
ひとりで帰らせてしまった。
途中で倒れたりしてもおかしくなかったというのに。
倒れたとしても自己管理ができなかった本人のせいであると決めつけて。
西条は僕たちのために頑張ってくれていたというのになんて言い訳だろう。
彼女の事故現場に遭遇して、僕は後悔をした。
僕があのとき彼女を引き留めていれば……
僕があのとき一緒についていてやれば……
少女の左足は動かなくなることもなかったのに。
身体の一部が動かなくなるんだぞ?
高校1年生の、遊びたい盛りの後輩が、オシャレだっていっぱいしたいであろう女の子が、将来の活躍を期待できるようなか弱い少女が……
そう考えると僕の胸は切なさでいっぱいになった。
その一因が僕にもあるのだと考えると涙が出た。
心が、苦しかった。
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