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ずらすつもりなんてなかった。
このまま無難に事なきを得て。
なんの問題も起きず起こさず過ごすつもりだったのに。
佐伯が挑発するまで気付いていなかったのに。
こんな気持ちは見なかったのに。
少しずれただけで溢れて来るこの気持ちの波は、完全に開いてしまったらどうなるのだろう。
まだ抑えられる。
まだ気付かなかったことにできる。
気持ちのコントロールくらい簡単なはずだ。
強引に溢れた気持ちを更に頑丈に押さえ込みながら、教師の顔を引っ張り出す。
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