第9章

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繋がらない会話。 逸らされる視線。 すれ違う身体。 微かに香る彼女の甘い香りが、とても俺をイラつかせる。 どうしてこんなことになってしまったのか。 自分でも何故だかわからないけれど、俺は確実に自分の思惑とは逆に歩んで行っているのだけは確かなようだ。 目的地に向かって走るバスから見えるいつもと違う風景は、頑なな気持ちを溶かしてくれるような。 そんな気がした。 そのうち競技場へと到着すると、頭の中は試合のことでいっぱいで、気持ちのモヤモヤも気になることなく部員達と向き合えた。
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