第10章

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心が痛くて自分から勝手に取った距離。 それなのに、もどかしくて苦しくて。 何度も何度も後悔した。 もう二度と先生は私に笑顔を見せてくれないんじゃないかって。 卒部してしまえば、先生と私は接点がないままで何時の間にか卒業を迎えて…後悔する。 どっちみち後悔するなら、先生が突然くれたこのチャンスを無駄にしないようにしよう。 先生の答えなんて最初からわかってる。 受け止めてもらえない想いなんだってわかってるけど。 それでも本物だって事だけは伝えて認めてもらおう。 玄関のドアを開けると、夏のじっとりとした風が吹き抜けていった。
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