第11章

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一体何に対する謝罪の言葉なんだろう? 言葉の意味がわからず、不安気に先生を見上げると、思いのほか近かった距離にドキリとした。 「先生。私…何もわからないの。私は今どうして先生と一緒にここにいるの?」 どうして先生は私を連れ出したの? また黙ってしまった先生に語りかけると、先生は前髪をクシャリと掻き乱して大きく息を吐いた。 「先生?」 「じゃないから。」 「…え?」 「今は先生じゃないから。言いたい事、聞きたい事、全部言って?全部答えるから。」 突然の先生らしくない言葉使い。 私の頭の中はぐるぐる回りだした。
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