第11章

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思わずブンッと音が出そうなほどの勢いで下を向くと、 「ふっ。自分が見ろと言ったくせに。」 と、鼻で笑われてしまった。 レンズによる隔たりがなくなってしまったその目を直視するには、相当の勇気がいるのを先生はわかってないんだ。 「こっち見て。」 さっきの私のセリフを真似たかのような先生の言葉には、今までとは違う甘さがあるような気がしたのは気のせい? かぁっと頬が染まっていくのを自覚しながらも、ゆっくりと顔を上げていく。
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