第11章

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自分の表情を伺い知ることは出来ないけれど。 先生が見たかったと言ってくれたことが、とても嬉しかった。 「先生、私…」 「悪かったと思ってます。勝手なこと言って。」 被さる謝罪に目を見張ると、先生はやっぱり視線を逸らしてしまった。 「あの日から…」 ぽそりと呟いた先生の表情は、顔を背けられたせいか。 はたまた夜の闇のせいか。 上手く読み取ることはできない。 「瑞穂さんが佐伯から告白された事を佐伯から直接聞いた日。」 『興味もありません』 私がはっきりとそう聞いた日だ。
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