第11章

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イタイ思いをしたあの日から、前みたいに先生と笑い合うことなんてとても出来なくて。 まともに顔を見て話す事すらほとんど無かった。 キッパリと拒絶されたのに、諦めることすらできなくて苦しんで。 それなのに。 あんなに触れたかった先生は、何故か今ここにいる。 私が動けば触れそうな肩先。 胸を締め付ける先生の瞳がまっすぐ私を捉えて離さない。 「触れてこない。視線が合わない。笑顔が見えない。僕を呼ぶ声が聴こえない。なのに君はいつも目の前にいる。」 「……」 「それがもどかしくて仕方がなかった。」 ……私と同じ思い、少しは先生も感じてくれてたってことなの?
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