第11章

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全て。 全てさらけ出そう。 私の気持ち。 私の心の全部を先生に受け止めてもらいたいから。 「先生。私ね、頑張ったの。あの後、先生を諦めようとして頑張ったの。でも無理だった。」 「うん。」 優しく頷く先生は、もう私から視線を逸らしてはいなかった。 「だから、もう諦めるのを諦めようって決心したの。」 「うん。」 「恋に恋してる子供だって思われるかもしれないけど、本当に全然そんなことないんだよ?そんなこと、誰よりも私が一番知ってる。」 「うん。」 微かに笑いが含まれた声色に恥ずかしさが込み上げるけれど。 伝えたい事はひとつだけ。 「こんなに人を好きになったの、先生が初めてなの。これから先もきっと、先生以外好きになれない。」 「うん。」 先生はそう呟くと、ふわりと私を包んでくれた。
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