第11章

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触れた手のひらから、先生の温もりと脈から鼓動が感じられる。 ドクドクと、私と似た早い鼓動。 「ドキドキして死にそうなのは、瑞穂さんだけじゃないですよ。」 同じ早さを刻むのは、私と同じ思いだと思ってもいいの? 「店で言ったあの言葉。あれを今から本当にしては…駄目ですか?」 先生が呟いた言葉の意味がわからなくて、一瞬キョトンとしてしまったけれど。 「先生、それって…。」 「あの言葉を、僕と2人で現実にするっていうのはどうかな?」 先生。 やっぱり私の方が死んじゃいそう。
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