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「現実に…する?しない?」
そんなの…。
「するに決まってる!」
間髪あけずに体を起こして大きな返事をした私は、かなりの至近距離で目を丸くしたままの先生と向かい見つめ合う形になった。
うっわ。
まだ緩く回されたままの腕が視界に入り、一気に現実味を帯びてきて、もう先生を見つめるなんて無理。
パッと俯き顔も背けると、
「こんな時に俯くなよ。」
聞きなれない口調で先生は私の顔を上へと誘導する。
「…せんせ?」
「ん?」
優しい顔はいつもの先生なのに。
なぜだか少しだけ違う先生に、もっとドキドキする。
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