第2章

18/18
1878人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
それからの私はもう完全に舞い上がってしまって。 いつか先生から名前を読んでもらう事をひたすら妄想しつつ、彩花の鬼のような指示に従って動いていた…。 週末の試合はとてもいい天気で、6チームが参加するという大きなリーグ戦だ。 もちろん私はリーグ戦が何なのかもわかっていなかったから、なぜ負けたチームがまだ試合が出来るのか不思議で仕方なかった。 二日間あった大会は、1位リーグの2位という結果。 チーム的には上々という雰囲気だったけれど、離れた場所で観戦していた中村先生はそうではなかったよう。 「お疲れ様でした。今日は色々と勉強させてもらいました。明日からの練習に備えて、帰ったらゆっくりと身体を休めてください。」 淡々と告げて後ろに下がると、現顧問の最後の挨拶が始まった。 これで明日から正式に中村先生のチームになるんだ。 優しく穏やかな先生が率いる新チーム。 この時はまだ嬉しさと期待だけしかなくて。 私の理想で固めた先生との楽しい部活ライフを想像して隠れ笑いをしていた……。
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!