第3章

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いよいよ今日から中村先生が率いる新生サッカー部だ。 朝から浮かれ過ぎていた私は、授業にも全く身に入らず。 昼休みにはドキドキし過ぎて作って来たお弁当すら喉を通らなかった。 放課後が待ち遠しくて、時計を見る回数が半端じゃなく多い。 ホームルーム終了後は、彩花の腕を引っ張りながら転げるように教室を出た。 ジャージに着替えてグラウンドに出ると、既に全員集合していた。 うちのクラスが1番遅かったんだぁ。 笑顔で中村先生を迎えようと思っていたのに残念。 逆に笑顔で迎えられてしまった。 「改めて。今日から顧問になる中村です。サッカーはジュニアクラブから大学までやってました。まだまだ体は動くんで、皆と直接的に指導ができると思います。」 今までの顧問は名前だけでウンチクの指導だったらしく、部員のテンションが上がった。 「サッカーの事になると少し厳しくなってしまうのが悪い癖なんですが、夏の全国大会目指して頑張りましょう。」 「お願いしますっ!!」 部員全員で寸分の狂いもなく下げられた頭に、慌てて私達も頭を下げた。
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