第3章

11/12
1882人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
人を好きになるだけで、新しい世界が広がる。 いつの間にか私がハマっちゃうなんて。 「ルールブックはジュニア用からレベルアップさせていって3冊完全読破しました。DVDも初めてのサッカー入門から海外チームの試合まで、レンタルしてかなりの本数観ました!」 「それは凄い…。」 「凄いです!バルサやマンチェスターの試合。メッシのドリブルの切り返しなんて鳥肌モノでした!」 「ぶっ!」 いきなり口元を抑えて吹き出した先生。 「クックックッ……。」 顔だけ反対に向けて一生懸命笑いを堪えている。 なに? 私…何か恥ずかしいこと言っちゃった? 少し不安になって先生を見つめると、やっと落ち着いた先生は私に向かってニコリと微笑んでくれた。 「どうりで今日の君はソツなく動いていたワケだ。今日は注意する所はありませんでしたから。」 「ホント…に?」 向けられた笑顔に卒倒しそうになるのを必死で抑えながら訪ねると、 「それだけ勉強してくれていたのなら、納得です。よく頑張りましたね。」 と頭をゆっくりと撫でた。
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!