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無意識に伸びた両手は意思を持ったかのように先生に絡みつく。
「ちょっ!!」
制する先生の声なんて、今の私には全く聞こえない。
ぐっと力を込めれば、ほら。
先生との距離が無くなっちゃう。
我ながら大胆な行動だとは思うけれど、感情の赴くままに先生の胸に埋めた。
耳に届く先生の心臓の音が、かなり早くなってくれて。
それが全くの無関心ではない証拠のような気がして嬉しかった。
「先生、私決めました。」
身体はそのままに顔だけ上げると、色づいた先生の顔がすぐそばにあった。
「私の気持ちを知られたからには、ガンガン攻めてきますから、そのつもりで。」
そうよ、知られたからにゃ開き直って攻めるしかない。
先生と生徒なんて、それくらいの強引さが無ければ結ばれないんだから。
呆然とする先生を他所に、ゼロの距離のまま先生布告の気持ちで伝えたのだった。
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