第2章 恋するミツバチ 

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「いるんだよ、うってつけのが」 涼介さんはにやりと笑うと 意味深に顎先を撫でて言った。 「先生を紹介するよ」 「先生ですか?」 「そうかしこまらないで。年の頃は君と同じ。そうだな、雰囲気もよく似てる。可愛くてお人形さんみたいで賢くて。ただちょっと――」 考え込むようなふりして 腕組みする。 「ただちょっと――なんですか?」 「いや、性格は似ても似つかないって言いたかったんだ。あの子は――」 椎名涼介を唸らせるなんて一体。 ゴクリ僕の喉が鳴った。
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