第1章

4/15
前へ
/15ページ
次へ
・ふたつの才能の、近さと遠さ  思えば『エスカフローネ』に出てくる巨大ロボット・ガイメレフの造形(山根公利デザイン)は明らかにミトさんの敬愛する永野護のMH(モーターヘッド)からの流れを汲んだまるっこい甲冑型(昆虫や鳥+騎士っぽい?)わけだし、  ミトさんは2ANIMEny DJ's名義でアフィリア・サーガ・イーストに真綾さんの「プラチナ」(菅野さん作曲)カバーのアレンジを手がけていたりするし、  伊藤大助さんがリスペクトするドラマー佐野康夫さんは真綾さんの音源およびライブでも大活躍だったりする(ライブでのメンバー紹介のときに佐野さんに対してはひときわ歓声があがるくらい真綾クラスタに愛されている)。  2014年放映の渡辺信一郎監督のアニメ『スペース☆ダンディ』ではミトさんも菅野さんも音楽で参加していた。  あるいはミトさんがクラムボンの初期に愛用していたKORGのTRINITYは菅野よう子もデモを作るときに使っていたキーボードでもある(http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/SoundBytes/clammbon/p4.htmlおよび『キーボード・マガジン』九九年八月号、〇一年五月号参照)。  はたまたクラムボンは専門学校のジャズ課出身だったから当初「ジャジー」とか言われていたけれど全然ジャジーじゃなかったことと『カウボーイビバップ』のサントラは「スペースジャズ」がコンセプトだったがフェイクジャズであってやはりそこまでジャズっぽい曲は多くなかった。  ……という薄い薄い系譜語りをしたり、近しさをみいだすことはできなくはない。  いやいや、「yet」の前に、2014年に「サラウンド」がCMで流れたときにもう菅野さんがアレンジしとるやんけ。  そのとおりです。 「サラウンド」はオーケストラアレンジ、「yet」はストリングスアレンジ、というのが感慨深くさせる理由なのだ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加