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自力で立ち上がった祥子は縁石をのっそりと跨いで車道に戻る。両手で腹を押さえて、少し屈んだ。 『じゃあ宮原さん』 彼女は何事もなかったようにゆっくりと歩き出した。そして歩道の逃げ水のなかに消えていった。
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