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とある住宅街、時刻は深夜と間違うくらいに辺りは静かで人の気配を感じさせないほどであり、月が雲に隠れ夜の闇が更に深く暗さを増し、より静かさ引き立たせている。
その闇の中を足音を忍ばせるのように歩く人影。
人目を嫌うかのように通りに面しない側道を選び、たまに辺りを見回しては歩いて、見回しては歩いてを繰り返す。
暫く歩くとピタッと足を止める、目の前には新聞紙や雑誌を束ねた山が置いてあり、キョロキョロと辺りを確認しその場にしゃがみこむ。
親指と人差し指を合わせて強く擦るとバチッ!!と小さい火が起こり、指先から発しているような感じで赤く揺らめいている。
「くく…今日も綺麗に燃えてくれよ。十分に楽しませてくれよ…」
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