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「これで食えねえだろ」
「全然いけるけど」
油断した隙に、おれのものになったはずのエビ天は器用な箸づかいによってお椀から離れ博己の口に収まった。
「あ゛ーー!」
「どっちが子どもだかな、剛くん七味いるかい?」
おじさんの差し出してくれた七味を受け取りながら、「おれのエビ天…」と大袈裟に哀しんでみる。
「あらあら」
「久しぶりに賑やかで楽しいな、母さん」
「そうねえ、でももっと早く連絡くれればいいのに、急に帰ってくるって言うからどうしようかと思ったわよ」
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