アル・ナスライン

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「悪いかよ、お前もなにか探しに来たんじゃないの?」 「え?あー、うん、まあね、」 そう言って、周囲を見回し、「それより、図書室ってだれもいないんだな」と感心したように言う。 「いまの時間は開いてないから」 そんなことも知らないのか。 「開いてない?入ってるけど」 「カギは開いてるけど、利用時間外」 ぼくの言葉を理解すると、ぱっと瞬きをして、 「鷲尾くん、ワルだな」 と言う表情は、なぜか嬉しそうだった。
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