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「おーばーけさーん」
「お前は毎年毎年、よく飽きないな」
「うぇひひひ。引きこもりのお化けさんのために通い妻をするわ・た・し」
「冬の山は危ないから来るなと何回言っても聞かないな、お前は。だいたい、俺は引き篭りではないぞ」
「え、そうなの?」
「ああ。山童は冬の間は山にいるが、夏は川に出るんだ」
「川!? そうなの?」
「ああ」
「………ウソだあ」
「何を根拠に」
「だって、山にいるから『山童』なんでしょ? それが川にいたら、ほら、おかしいじゃん」
「何もおかしくはないな。川にいる間、俺は河童と呼ばれる。川の童という意味だ」
「河童!?」
「ああ」
「頭に皿を載せてるの!? 甲羅もつくの!?」
「お前は何か勘違いをしているな。確かに、そういう河童もいるにはいるが、それだけだ。人に色々な格好の奴がいるように、河童にも色々いる」
「へー」
「お前から聞いてきたんだろうに」
「うぇひひひ」
「相変わらず、変な笑い方だな。そういえば、小学校とやらに行っているのだったな」
「うん! もうすぐ二年生だよ!」
「うむ。よくわからないが、楽しいか?」
「うん! 友達もできたし、春からは新しい子達も入学してくるからね! お姉さんとしていっぱい面倒みてあげるんだ!」
「ふむ。そうか。頑張れよ」
「うぇひひひ。うん! 任せて!」
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