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「……させて」
愛しい伊織に、触れさせてほしい。表に出せない気持ちを愛撫に変える。くっと抑えるような声が伊織から聞こえる。もっと自分を感じて欲しい――今だけは。
そう思いながら夢中で咥えていると、すっと脇に手を入れられて、体を伊織の方に引き寄せられた。
「……?」
「それ以上されると、いっちゃうから」
伊織の上に乗せられ、抱き寄せられながら後ろを探られる。
「う……んっ……」
「いいよ……俺につかまってて」
膝立ちで尻をあげているので、どこかに寄りかからないと辛い。ぐっと腕を引かれて、伊織にしがみつく格好にされる。
「なんか……佐知夫さんに襲われてるみたいでクるな、これ」
喰らってしまいたいと、心の中だけで考えていることを読み取られてしまったような気がして、佐知夫はうつむく。伊織の肩に顔を埋めて、快感を必死に逃した。
「んんっ……くうっ……んあっ!」
増やされた指で中をぐりっとえぐるように回された。急に襲う強い快感に思わず声が漏れる。
「ここがいいんだ……佐知夫さん」
それからも焦らすように、強く、弱くそこへの出し入れを繰り返される。堪らず何度か伊織に目で訴えたのだが、意地悪な笑みでかわされる。
「俺ね、馬鹿だから、ちゃんと言ってもらわないとわからないよ」
「……」
「佐知夫さん、どうしたいの? 俺に、どうして欲しい?」
「……て」
「えっ?」
「いれて……伊織くんの……」
掠れる声で佐知夫が訴えた。
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