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旅行の最後に高橋さんから言われた、意味のわからない罰ゲーム。
気付いた時には、彼女の額に俺の唇は落ちていた。
抱き締めた時に少しだけ重なった身体。
たったそれだけの事で今更、欲情に駆られるのは可笑しいと思う。
……思う、けど……
宿泊先からの帰りのバスの中。
静まり返った車内に並んで座る俺と彼女。
無造作に膝の上に置かれているその手に、俺が触れて指を絡ませたら彼女はどんな顔をするだろう。
華奢な肩を抱き寄せたら、温泉で垣間見れた熱っぽい瞳で俺を見上げてくれるだろうか。
隣に座って窓の外を見ながら耽っている彼女を横目で見つつタヌキ寝入りして、ついついそんな不埒な事を考えていた。
んだけれど………、、
いつのまにか俺の肩にコテッと小さな彼女の頭が乗ってきた。
俺の気持ちなんて……何も知らずに。
「…………」
隣にある居心地のいい重み。
疲れたのか無防備過ぎる顔でスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
……どうしたものかな…
伏せられた長い睫毛。薄く開かれた柔らかそうな唇。
たまにピクリと動く眉。
温泉上がり独特の生乾きの髪の温もりと、甘い香り。
「…………」
冷静で、、なんていられなかった。
溜息をついて、彼女に視線を向ける。
……いっそ起きて、その自分の無防備さを反省でもすればいいんだ……
軽い気持ちで彼女の前髪にそっとキスを落としてみた。
当然、起きることはなかったけれどね。
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「ただいまって、うわー寒っ!?」
部屋の中に一歩足を踏み入れると、腕をさすって叫びながらリビングに進んでいく彼女。
あの柔らかい二の腕の感覚をもっと感じていたかったな……、と玄関で靴を脱ぎながらその後姿をぼんやりと目で追った。
俺が密かに欲と葛藤しているだなんて、全然気付いてないんだろうな……
いつものソファーに突っ伏して寝転んでいるし。
……無防備さ、、全開……
そんな姿を、ソファーの背もたれに腰を下ろして寄り掛かって見下ろしてみる。
目に映るのは…………
少しめくれた上着の裾から垣間見える、くびれた細いウエスト。
ズボンでラインが露になった小さな桃尻。
それがまるで”こんにちんわ!触ってみる?”と可愛く挨拶して見えるのは、、
俺が健康な証拠なのだろうけれど。
……眩暈がしてきた……
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