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もっと困って…。
俺の事で頭の中いっぱいにすればいい。
”男”として意識して
アイツなんか忘れて俺に溺れてしまえばいいのに……
掻き乱されて俺に酔いしれてしまえばいいのに。
「たかちゃんさー、意識し過ぎなんじゃない?」
「……な、んの事?」
フイッとわざとらしく視線逸らす彼女の傍らで、
意識し過ぎてるのは俺の方なんだよな、と何処か締め付けられるような気持ちが押し寄せる。
「またまた、分かってる癖にぃ?」
「な、にがよ!?」
──本当は、
力づくで。
俺全部で、彼女をぐちゃぐちゃにしてしまいたいんだけど……
怖がらせて逃げられたりしたら、今まで築いてきた関係が水の泡になってしまうから。
だから、そんなことはしないし。するつもりもない。
”あのさ、…”と口を開きながら、
手に持っていた珈琲カップをソファー近くのテーブルに置いて冷静を装って彼女の顔へと手を伸ばした。
咄嗟に彼女はそっと瞳を閉じて、、
……って、おいおいおい。
なんでだよ?
何処まで…俺を動揺させれば気が済むんだ。
思わぬ彼女の大胆な行動に、視界に映る彼女の薄紅色の唇を見詰めてドクンと心臓が早鐘を打っている。
「……。」
本当はその頬に触れて、引き寄せて抱きしめてしまいたい。
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……って、やばいやばい。。
焦げる様な熱く込み上げるものをグッと押し込めて、彼女にフッと微笑んで見せた。
「マシュマロ、鼻についてたよ?」
「……。」
ホントは付いてなんかいないけど、と心ん中でペロッと舌を出しながら彼女の鼻を指先で擽ってやる。
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