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「はいどうぞ、たかちゃん」
誰もいない深夜のブランコに腰かけていた私に
春樹は自販機のホットココアを差し出してくれた。
…本日、2杯目のココアだったけれど…。
肌寒い身体に、ココアのほろ苦い甘さと温かさが…ゆっくりと染みていった。
溜息をつきながら目の前の春樹を見つめた。
「……。」
「……。」
春樹は、ブランコを囲んでいる低い鉄パイプで出きた柵に腰掛けていた。
コーヒーを飲みながら、たまに私と目を合わせて優しく微笑む。
「……」
その優しさが、擽ったくて。
…温かくて、…とても痛かった。
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