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「 ──さよなら、
…春樹。」
あれから2か月。
呆気なく終わった、春樹との同居生活。
この部屋、こんなに静かだったんだな…と改めて思わされた。
自分の小さな息遣いだけがやけに響いて聞こえるこの部屋は、
なんて…居心地が悪いんだろう。
深いため息をつきながら、洗面台に自分の顔を写す。
当然仕事で疲れて帰って来ているので、化粧崩れが目立っている。
「…ああ───、…」
重苦しい声を出しながら、肌荒れもひどいな、と手の甲で頬をなでた。
その理由は分かってる。
不規則な食生活に逆戻りしたせいだ。
挙句、真夜中にも関わらず、
入浴を済ませた後、体育座りをしながらソファーでビールを飲むというこの習慣。
カシュ!
…グビッ!!
だって仕方ないんだ。
酔わないと、変な事を思い出すし、考えてしまいそうで…怖いから。
「……」
お酒に強くない癖に…最近、ずっとこんな調子だ。
『 たかちゃん 』
時間ばかりが経つだけで
未だに、消えてくれない…残像
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