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◇
いつもなら駅での乗換えで俺と藤澤、航の3人が一緒の電車に乗るはずだ。
「山口君。ごめん。今日は一人で帰ってもらっていいかな?」
「どうしたの?」
「ちょっと・・・椎名君に相談したいことがあって・・・。」
航が俺の顔をちらりと覗く。
俺は“さぁ?”って顔で首を捻って見せた。
「う・・・ん。分かった。隼登、藤澤に・・・するんじゃないぞ。」
「なんだよ・・・それ・・・。」
「藤澤はサッカー部のアイドルなんだから、手を出すんじゃないぞ。」
「ああ。」
そう言うこと。
「じゃぁね、柚希ちゃん気を付けてね。」
航が小さく手を振って改札へ消えて行った。
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