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チュンチュンと鳥達の鳴き声が聞こえた。その鳴き声は心地よく、まるで歌を歌っているようだ。
その鳴き声でベッドで寝ていた青年がむくりと起き上がる。
「ふぁっ朝か・・・」
ウーン、と伸びをする青年。寝癖のついた茶色い髪をボリボリとかき、ベッドから出る。
青年、アーウィン・ベルウェンドは起きてすぐやることがある。それはベッドの横にある棚の上にある写真に手を合わせることだ。写真には優しい顔立ちをした老人が写っていた。アーウィンのたった一人の家族だった。その家族も3年前に他界した。ゆえに彼一人でこの家に住んでいる。
「おはようじいちゃん、俺、今日も元気に行ってきます!!」
彼は日課がある。森で狩りを行うことだ。彼の村は農作物を主に行っていて王都と比べ、豊かではない。それゆえ全て自給自足で行わなければならない。
アーウィンはベッドの縁に立て掛けている剣を持ち上げ、家を出る。
「うわっまぶし・・・」
「お、アーウィンおはようっ!!」
朝日の太陽の眩しさに目がくらみ、思わず腕で顔を覆い隠す。すると、横から大きな声がした。
「おはようっ!グランおじさん」
「おう!今日も狩りに行くのか?」
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