-first- 胡桃奈央の夜は始まる。

3/16
前へ
/17ページ
次へ
ー…ファーストキスだった。 放課後、夕陽に照らされた教室。 外からは部活動に励む生徒の声。 私たちは日直で二人だけで教室に残っていて。 日誌を書き終えて立ち上がるとー…。 ー…ぐいっ 強引に手を引かれ、壁に押し付けられた。 「…?泰斗…っ!」 一瞬、ほんの一瞬だけ。 唇に生暖かくて、柔らかい物が…ー触れて。 すぐに温度は消えた。 口を押さえて、顔を赤くして泰斗を見ると、余裕そうに手の上からキスをする。 「ー…意外とかわいい反応すんじゃん。奈央。」 にっこり笑うと、今度は強引に手をどけてキスをしたー…。 河内泰斗。 クラスで仲のいい男子。 モテるし、私なんか興味ないと思ってた。 …なのに。 なんでこんなことしてんの…?
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加