第1章

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「…………。お前は……………………人間か?」 その宇宙人は眼が真っ赤だった。 いや…………人間で言う黒目の部分が、真っ赤なのだ。 そして今の言葉は、俺から相手への言葉ではなく、相手から俺への質問だった。 「に、人間…………だけど…………」 「…………いや、違うな」 違う…………? いやいや、違わない。 「う、生まれたときから…………左腕がないだけだ…………」 怖い。 なぜだか、とてつもなく怖い。 「…………言い方を間違えたようだ。お前はこれから人間ではなくなる」 『人間ではなくなる』…………? どういうことだ…………。 《柏木弥絃よ。…………人間を怨め…………憎め…………そして、復讐するのだ!》 「お前にも聞こえているのだろう?その声が。我らの頂点に立つ者の声が」 家に俺が居たときに、言っていたな。 左腕を授けてやろうと。 「…………。俺が…………仲間になれば…………左腕をくれる、ってことなのか?」 「察しがよくて助かる。そういうことだ。拒否すれば、命を頂こう」 い、命を…………? 断れないじゃないか…………。
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