st.3

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「あの・・私にパチンコ教えてくれますか?」 「・・・・それで、生計をたてたいの?」 「はい。」 嘘。別にそんな事など考えていなかった。 ただ理由が欲しかったのだ。 このまま抱かれる理由が。 すると、彼女はぱっと触っていた手をはなし、つまらなそうに背もたれを倒した。 「馬鹿な事考えてないで、真面目に働きなさーい。パチンコはあくまで趣味にとどめる。のめり込んだら、ロクなどことにならないよ?」 「やってる本人がいいます?」 「経験談は語るの。」 両手を頭にしき、はぁとため息をつく彼女。 もうエッチな雰囲気ではなかった。 「それに、君はヤケ気味に打ってるから辞め時がわかってない。投資額の限度と時間も頭にいれなきゃ。自制心がなきゃ、勝てる物も勝てないよ。」 そんな事を考えた事無かった。 ある程度回数回せば当たるものだと思っていた。 「しないん、ですか?」 「んー、何かそんな気がなくなっちゃったや。家まで送る。」 こういう時に止めれるのは女性だからだろうか。やりたがる男はどうにか持ち込んでくるものなのに。 ギッと背もたれを立てようとする手を止め、覆い被さってみた? これだとまるで私が襲ってるみたい。 「じゃあ、パチンコは良いので、愛してくれませんか?私のこと。」 何を言ってるか分からないのは、自分もだった。 「変な子だね、そんな泣きそうな顔して。」 誰でもよかった。なんて言ったら彼女は怒るだろうか。 よしよしと抱き締められ、頭を撫でられる。 つい嬉しくて、自分からキスをした。
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