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「あの・・私にパチンコ教えてくれますか?」
「・・・・それで、生計をたてたいの?」
「はい。」
嘘。別にそんな事など考えていなかった。
ただ理由が欲しかったのだ。
このまま抱かれる理由が。
すると、彼女はぱっと触っていた手をはなし、つまらなそうに背もたれを倒した。
「馬鹿な事考えてないで、真面目に働きなさーい。パチンコはあくまで趣味にとどめる。のめり込んだら、ロクなどことにならないよ?」
「やってる本人がいいます?」
「経験談は語るの。」
両手を頭にしき、はぁとため息をつく彼女。
もうエッチな雰囲気ではなかった。
「それに、君はヤケ気味に打ってるから辞め時がわかってない。投資額の限度と時間も頭にいれなきゃ。自制心がなきゃ、勝てる物も勝てないよ。」
そんな事を考えた事無かった。
ある程度回数回せば当たるものだと思っていた。
「しないん、ですか?」
「んー、何かそんな気がなくなっちゃったや。家まで送る。」
こういう時に止めれるのは女性だからだろうか。やりたがる男はどうにか持ち込んでくるものなのに。
ギッと背もたれを立てようとする手を止め、覆い被さってみた?
これだとまるで私が襲ってるみたい。
「じゃあ、パチンコは良いので、愛してくれませんか?私のこと。」
何を言ってるか分からないのは、自分もだった。
「変な子だね、そんな泣きそうな顔して。」
誰でもよかった。なんて言ったら彼女は怒るだろうか。
よしよしと抱き締められ、頭を撫でられる。
つい嬉しくて、自分からキスをした。
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