st.4

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(これは、どうしたらいいものか) 律は熱い視線を送る紗世を背に、髪や体を黙々と洗った。 一緒に暮らして2カ月 彼女からのアピールに気付かなかったわけではない。 わざとノーブラで抱き付いてきたり、肌の露出の多い服で寝たり、家にいる時は常に隣にいる。 「おいで、紗世。」 湯船につかり、手を広げればいそいそと彼女は足の上に乗りかかってきた。 しかし、いざこうやって近付けば彼女はとても恥じらい、手を出しにくくなるのだ。 あったまり、血行の良くなった唇を再び人差し指でぷにぷにと押せば、くすぐったそうに震える紗世。 あの大人びて、どこかいつもつまらなそうな彼女はおらず、まるで少女のようだった。 (いけない大人になった気分) 汚してしまうのではないか。そんな気持ちになり、これ以上の関係に進むことに足踏みしてしまっている。 「紗世・・私、誰かと付き合うのって初めてなんだよね。」 「え?う、・・、うん。」 「だから、その、教えてよ。そろそろキス、してもいいものかな。」 かぁぁ 2人とも顔が赤くなるのが分かった。 「ぃぃ、と思う・・。」 ああ、可愛い。 小さく耳元で呟く彼女の顎を軽く指で持ち上げ、軽く、軽く 触れるだけのキスを一度交わした。
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