ダイヤモンド・リリーは涼風の瞬き

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「我もまた紅なり、ですね」 花が首を傾げた。 「神様が野原に降りてきて、紅い花を集めていた際に、吾亦紅が言ったんですよ。私も紅い花です、私も入れてください、とね。だから、吾亦紅」 「へえ」 「これが語源だというのは、作り話なんでしょうが、私はこの話が一番好きなんです」 久慈が色々と教えてくれるのは、いつものことだったが、自分の好みを言うのは珍しかった。 「この間、フィールドワークに出かけた先でも、吾亦紅を見つけましてね」 「うん」 ぶらぶらと繋いだ手を揺らしながら、二人は歩く。 長い廊下と階段を経て、二人は部屋に戻ってきた。 「花さんみたいだな、と思ったんですよ。真っ直ぐな、あなたのようだと」 「私?」 花が驚いて、振り返る。
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