ダイヤモンド・リリーは涼風の瞬き

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「……久慈さん」 「はい」 「久慈章輔さん」 「はい」 だから、久慈が好きだ。 ふふっと花が笑った。 花弁がそよ風に揺れるように、緩やかに、柔らかく。 「花。章輔って呼んでごらん」 途端に風が止まって、真っ赤に染まる。 その花を、久慈は胸に抱え込んだ。
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