ダイヤモンド・リリーは涼風の瞬き

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「それって、今日は泊まっていってくれるということですか?」 「え?」 見る間に花の顔が赤くなるから、腰に手を回した。 花は、もう十分煮えた鍋をかき回している。 「……先生、丁寧語に戻ってる」 「花も、先生って言ってる。章輔って言ってくれないの?」 火を止めて、花を抱き寄せた。 「章輔さん、お誕生日おめでとう」 「……ありがとう」 乾杯より、キスが先だった。 未だはにかむ花を、からかうように啄ばむ。
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