1028人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
「それって、今日は泊まっていってくれるということですか?」
「え?」
見る間に花の顔が赤くなるから、腰に手を回した。
花は、もう十分煮えた鍋をかき回している。
「……先生、丁寧語に戻ってる」
「花も、先生って言ってる。章輔って言ってくれないの?」
火を止めて、花を抱き寄せた。
「章輔さん、お誕生日おめでとう」
「……ありがとう」
乾杯より、キスが先だった。
未だはにかむ花を、からかうように啄ばむ。
最初のコメントを投稿しよう!