ダイヤモンド・リリーは涼風の瞬き

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くしゅん……と、彼女が小さくくしゃみをし、二人して彼女の勤める花屋の裏手に突っ立っていたままだったことに気付いた。 真夏とは言え、いつまでもここにいても仕方ないだろう。 「メシにでも、行きますか」 そう言った途端に久慈は、女性をそんな風に誘うのはずいぶんと久しぶりなことに気付いた。 キョトンと首を傾げた花に、ご飯、と言い直す。 仕事終わりだから、お腹が減っていませんか、と。 花が嬉しそうにコクンと頷くのを見ると、胸の内が熱く焦げた。 ぷっくりと膨らんだ、その白く柔らかそうな頬に今すぐ触れてみたいが、ゆっくりと息を吐いてその衝動を逃す。 「どこか行きたいところはありますか?」
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