◆外伝章◆

6/10
前へ
/10ページ
次へ
「……しょーがないな。うん」 「何だよ?今度は…」 急に何を思い立ったのか、九条は俺の手を掴んで自身の隣に立たせると、それは正に、相合傘の姿になった。 「ウム、これなら問題無い」 「ハァ!?お前、正気か!?」 「仕方ないじゃん。傘は1本しかないし、タジリン放置したまんま帰れないし」 女子と相合傘だなんて、初めてだぞ俺は!? 「むぅ…傘の範囲が狭い。タジリン、もうちょっとコッチに寄って」 「ば、バカ言うな!?近い!近いって!」 傘を持つ九条の左手に、俺は右側に立って彼女の歩くスピードに合わせて歩いているが、右肩が濡れているのに気付いて寄ってくる九条。 …クソぅ、髪の毛から良い匂いがする。 .
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加