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「……しょーがないな。うん」
「何だよ?今度は…」
急に何を思い立ったのか、九条は俺の手を掴んで自身の隣に立たせると、それは正に、相合傘の姿になった。
「ウム、これなら問題無い」
「ハァ!?お前、正気か!?」
「仕方ないじゃん。傘は1本しかないし、タジリン放置したまんま帰れないし」
女子と相合傘だなんて、初めてだぞ俺は!?
「むぅ…傘の範囲が狭い。タジリン、もうちょっとコッチに寄って」
「ば、バカ言うな!?近い!近いって!」
傘を持つ九条の左手に、俺は右側に立って彼女の歩くスピードに合わせて歩いているが、右肩が濡れているのに気付いて寄ってくる九条。
…クソぅ、髪の毛から良い匂いがする。
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