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…ところがだ、コイツはソレが嫌だった。
確かに何でも出来るのは素晴らしいと言える。他人からは賞賛される。叱咤などされない。
大人からの賞賛は、九条椿には叱咤以上の苦痛を伴った。
その結果…中学時代に酷くイジメを受けたそうだ。
だから、彼女は自分を如何にバカに見せれるのかを模索している。
とは言え、一部の人間からはあまり良い風には見えないが。
「…オーイ、タジリン?」
「ん?あ、何だよ?」
気が付いたら既に屋根付きのバス停まで到着していたので、ようやく九条との相合傘から出た俺は、その屋根の下に入った。
「何か考え事?」
「いや…チョットな。あ、バス停までありがとうな」
「いやいや~、友達2号のタジリンの頼みとあらばね~?」
「いつ俺がお前と相合傘を…って、もう良い。なんか疲れる」
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