1.大財閥『北條家』でございます。

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「おまたせ~」 奥様がすっきりした笑顔でこちらに歩いていらっしゃいます。 グッタリとした旦那様を素早く回収してメイド長は退室していかれました。 「奥様ご用件をお伺いしても?」 奥様が血の付いた手を拭きながらティーテーブルにつかれました。 急いでお茶の準備をいたします。 適度な運動の後なので甘味と酸味のあるロシアンティー、アプリコットジャムでいきましょう。 「どうぞ。」 「ありがとう。あなたも座ってくれる?」 奥様に着席を促されましたが私は使用人。同じ席に座るわけにはまいりません。 「仕方ないわね。じゃあそのまま聞いてくれる?神楽のことなの。」 「ご主人様のことでございますか?」 「明日から公立の小学校に通わせます。」 断言する形から決定事項のようです。 困りましたね。お側に居られなくなりそうです。 何でまた急にそのようなことに?
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