ご主人様、羊ではなく、執事でございます。

2.小学校とご主人様。

「わあ、ここが公立の小学校かぁ。たてものがあんまり大きくないよ？なんでなのかなあ、ひつじ。」
ご主人様はまた『羊』と呼ばれてますね。
そろそろ『執事』とおっしゃって欲しいものです。

「学園と違って幼少部から大学院までありません。初等部のみの建物なので小規模で済むとおもわれます。」

「ひつじも通ったの？」

「…いえ、私も公立の小学校は初めてです。」
諸事情により学校には通えなかったのです。ただし大検は合格しておりますので高等学校卒業程度の学力はございます。

「ぼく、友達できるかなあ。」
ご主人様が不安そうでいらっしゃいます。

「大丈夫ですよ。さあ、ご主人様職員室に参りましょう。先生方がお待ちですよ。」
そっとご主人様の背中に手を当てて歩くよう促します。

「………うん。」

お屋敷に帰ったら神煕様に地獄のフルコース（嫌いなものオンパレードフルコースディナー）を料理長にオーダーです。