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「ひつれいします。」
ノックをしてご主人様が職員室のドアを開けられました。
また『し』が『ひ』になっております。
「あっ、あのぼく、今日転校してきた…ほぅ…」
しどろもどろながらも頑張ってらっしゃるので私は後ろに控えております。
「ああ北條神楽さんだね。待ってたよ!!こちらにどうぞ。」
30歳くらいの若い女性が明るく呼びかけて下さいます。
「おはようございます北條神楽さん。私が担任の『浜波すずか』です。神楽さんと呼ぶからすずか先生って呼んでくれるとうれしいな。」
にっこり微笑まれるすずか先生の顔にかわいらしいえくぼが出来ました。
ご主人様、顔を真っ赤にして見ほれてます。
初恋でしょうか?初々しくていらっしゃいます。
「はいっ、す、すっすずか先生。」
若干『す』が多めです。
「クラスは一年三組、クラスメートは26人。神楽さんを入れて今日から27人クラスになりました!!」
「27人多いですね。大丈夫かな僕…」
ご主人様が心配そうに顔をふせました。
「あれ?神楽くんはいままで田舎にいたのかな?27人でも少ない方ですよ?三年になったら40人近いクラスになるんですよ?」
先生ががさごそと資料を探して見てらっしゃいます。その直後、青ざめたお顔を私に向けられます。
「あの……この博士課程終了ってなんですか?」
「博士課程終了証書を授与されていると言う意味かと。」
「………………大学院を卒業してもらえるやつ?」
「はい。」
他にどんな意味があると?
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