1.大財閥『北條家』でございます。

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奥様はおしとやかでお優しい方でございます。 ただ一つの禁句ワードにさえ触れなければとてもお優しい方で…ございます。 「奥様、お呼びでしょうか?」 ノックをして声をお掛けいたします。 「はい、どうぞ~」 のんびりとした声で了解を頂きましたので入室させていただきます。 「失礼いたします。」 部屋の中央にもはや人かと疑いたくなる速さで宙づりにされた旦那様に昇竜拳を炸裂させていらっしゃるのが奥様でございます。 相変わらずのラブラブっぷり。私には目の毒でございます。 「そう思うのはあなただけかと思いますが。」 「メイド長、いらしてたのですか?」 「不本意ながらわたくしの主は旦那様ですので。」
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