第1章

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帰路は、ロンドンの街に早く慣れるため、歩いてゲストハウスまで帰ってみた。さすがは多国籍の国である。街は欧米系はもちろんのこと、中国人が多いのはどこへ行っても同じだが、中近東系やアフリカ系、インド系の人の姿も目につく。さながら世界中の人種のるつぼの観がある。 リージェント・ストリートは東京で言えば銀座のような所である。バーバリーやローラアッシュレイなどのブランドショップや銀行の建物などが屏風の壁のようにずらりとピカデリー・サーカスまで立ち並び、その間を名物の赤い色をした2階建てバスや黒塗りのムスタング型タクシーが縫うように所狭しと走り回っている。 ところで、このタクシーの運転手になるには、難しい地理や歴史の試験をパスしなければならないと聞いた。そのため、どんなに分かりづらい場所を指示しても、きちんと連れて行ってくれると評判である。私もロンドン時代は何度もタクシーを利用したが、1度たりとも間違いはなかった。
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