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「菊池さん、すみません。この書類の不備、修正してから提出していただけると助かります。お忙しいとは思いますが、お願い出来ますか？」
私のデスクに当たり前のように、不備だらけの書類を提出してきた菊池さんにそう声を掛ける。
多忙を極め、どうしても時間がない時に限り、私が修正することはあっても、菊池さんのような常習犯社員には、こんな風に声を掛けるようになった私。
些細なことが積み重なり、大きな変化を生むのだとつくづく思う。
こうして、社員がそれぞれに意識をして、仕事を円滑に運ぶことは社会においてはとても大切なことだと痛感した。もちろん、臨機応変に対応することは一番だけれど、業務の短縮を得ることが出来るし、自分のすべきことも明確に見える。
私も出来る範囲から、少しずつ積み重ねて行こう。
そんな風に思って仕事に打ち込むようになった。
もちろんそれに当てはまるのは、仕事のことだけでなくて、小さな積み重ねから、一つの変化へと変わったこともあった。
それは麻美のこと……
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