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「んんっ―やっぱり違う。私、あなたじゃないとだめみたい」
声が出せるかわからなかったから、唾を飲み込んでから言葉を押し出した。
「…そんなことを言ったって、罰は与えるからな」
「本当に? じゃあ今日はしてくれないの?」
「おまえは今日、一人でほっつき歩いていたんだろう。厩まで辿りつけたんだ、体を交えるくらい何ともないだろう」
「じゃあ―」
「でもしない。傷を癒やせ、ルシア。わたしの激しい行為にも耐えられるように」
「明日はしてくれる?」
「ああ、明日なら」
「じゃあ明日ベンのとこに行ってもいい?」
「だめだと言っても行くし、見張りをつけても目を盗んで抜け出すし、まったく世話が焼ける」
「それは行ってもいいってこと?」
「部屋を見張らせるのは意味がないとわかったからな。それに抜け出すために、おまえが何をするかわかったもんじゃないし。それならどこにいるかわかっている方がいい」
「私もその方がいいと思う」
満足そうなルシアを横目で見ながら付け足す。
「何も起きないよう、サミュエルにおまえ自身を見張らせる」
ルシアが鼻にしわを寄せ、あからさまに嫌そうな顔をした。
「彼は私のことを嫌ってるのよ。お互いに神経がすり減っちゃうわ」
サミュエルのルシアに対する態度には、彼女にそう思わせるに足るものがある。しかしサミュエルほどわたしに忠実な男はいない。子犬のような見張りではルシアの安全―ひいてはわたしの心の平安―を確保できない。
そう言いながらもルシアはため息をついて肩を落とした。
「仕方ないな。あなたがどうしてもと言うなら」
「どうしてもだ。彼は唯一の友だから、おまえを任せても安心だ」
「ふーん」
彼女は上掛けに目を落とし、生地の皺を伸ばした。
「どうした?」
「私は友達じゃないの? 私だってあなたに…いえ、いいの。気にしないで」
ああ、今までこんなに喜びを感じたことがあっただろうか。
「そうだな、おまえも友達だ。それよりも恋人の方が好ましいんだが」
「友人兼恋人ね。あれ、恋人兼友人かしら」
「どっちでもいいさ。おまえはここに、わたしの隣にいるんだからな」
ルシアが胸にもたれかかってきた。
「寝るとき、抱いていてくれる?」
「もちろんだとも」
「何を考えている?」
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